※試合前のプレビュー原稿はこちら
テレビでご覧になった方も多いかと思いますが、試合の簡単な振り返りです。
試合についてまとめた記事は、yahoo個人で後日アップする予定です。
試合詳細サマリー(アメリカ代表公式より)は こちら
試合前のスタジアムの雰囲気の良さには驚きました。
代表の、好きな選手の名前が入ったユニフォームやアメリカ国旗色の洋服やジャージを着た老若男女。
応援する選手のプラカードや自作のボードを作って掲げている女の子のグループ。
ワールドカップや五輪の舞台とはまた違った、スポーツの祭典という雰囲気でした。
選手たちが出てきた時の女の子達の目の輝き。
選手入場時や練習時に選手が出てくると、ここでも歓声。
女子サッカー王国・アメリカで、代表選手たちがどれだけ少女達の憧れになっているか、ということが伝わってきました。
しかーし!
入場時、なでしこジャパンも堂々としていましたね。
初出場の千葉園子選手と佐々木繭選手も、少し表情に固さは見られましたが、空気に飲まれている感じはありませんでした。
そして、19:30キックオフ

岩渕真奈
千葉園子
大儀見優季 中島依美
宇津木瑠美 阪口夢穂
佐々木繭 熊谷紗希 村松智子 有吉佐織
山下杏也加
アメリカの布陣は4-4-3。
ヒース モーガン ダン
ロング ブライアン ピュー
クリンゲンバーグ サウアーブラン ジョンストン オハラ
ソロ
アメリカは序盤から右サイドを縦に速い攻撃で狙ってきますが、日本は人数をかけて苦しい時間をしのぎます。
特に、村松選手のカバーの意識は光っていましたね。プレーをはっきりと切ることと、背後のスペースのケアを怠らなかったことも、アメリカの時間帯を長びかせなかった理由だと思います。
そして、アメリカはCKの機会がかなりありましたが、あえて低いボールを入れてくるのは、昨年のカナダW杯決勝と同じ。ただ、その狙いも、日本はしっかりと想定した守備で、マイナス気味にクロスを入れられピンチになった場面でも、体を投げ出して防ぐ場面が見られました。
1対1の間合いの取り方、寄せ方など、高倉麻子監督が話していた「10cmへのこだわり」は、全員の意識の中に共有されてピッチに現れていたように思います。
前半14分。
岩渕選手がPA右角あたりから、フェイントを入れて相手の重心をずらし、シュート。相手の足に僅かに当たったボールはカーブを描いて、世界No1GK、ホープソロ選手の右手をすり抜けて逆サイドネットに突き刺さりました。

意表をつかれた形のアメリカですが、18572人が入った会場を味方に付けた「U・S・A」コールは凄まじかったですね

そんな空気に飲まれることもなく、日本は人数をかけた守備からインターセプト。
22分には右サイドで有吉選手のパスを受けた中島選手のクロスをファーサイドで大儀見選手が走り込んで決め、追加点!

1月から、親善試合などでは11連勝中のアメリカ女子代表。
予想もしなかった展開に、スタジアムに動揺が走っているのが分かりました。
しかし、リオ五輪本番を控えたアメリカが、これで終わるわけもありません。
27分 アメリカ カウンターから、右サイドを突破したピュー選手のクロスをモーガン選手に決められ1点差に

37分 アメリカ 右サイドを崩されてクロスから先制点のような形になるものの、村松選手が体を投げ出してクリア。
42分 日本 パスで相手を引きつけて広いスペースに展開。千葉選手の横パスを受けた中島選手のシュートはバーを叩きます。
44分 アメリカ 左サイドを突破され、クロスを上げられるものの、村松選手がダイビングヘッドで自陣ゴール方面にクリア。
サイドを崩される場面はありましたが、アメリカのクロスの精度も高いとは言えず、最終ラインが落ち着いて対応。GK山下選手の落ち着いたセービングも、チームに安心感を与えていたと思います。
日本が1点リードで後半へ。
HT 宇津木瑠美→川村優理
後半はアメリカが序盤から猛攻をしかけてきます。
49分 アメリカ 左サイドを崩され、シュート性のクロスを放たれますが、山下選手が冷静にキャッチ。
54分 日本 後方からのロングパスを千葉選手がスルー。受けた中島選手はワントラップからミドルシュート!枠の右に外れますが、相手のラインを下げさせるには十分な迫力のあるシュートでした。直後にも中盤を崩して大儀見選手のシュートにつなげますが、これはソロ選手の正面。
56分 岩渕真奈→横山久美
交代の1分後でした。大儀見選手が2枚目のイエローカードで退場に…。
10人になった日本はラインを上げられず、苦しい時間帯が続きます。
60分 アメリカ DFラインの譲り合いから、モーガン選手が左サイドを突破しシュート。これも山下選手が落ち着いてキャッチ。
アメリカも、フレッシュな選手たちを続々投入してきます。日本は61分、千葉選手に代えて増矢理花選手を投入。
64分 アメリカ PA右手前でFKを与え、ゴールから逃げるカーブのかかったボールに走り込んだモーガン選手に決められて追いつかれます

この後、アメリカのサイド攻撃、クロスの応酬になりかけますが、山下選手が安定したセービングで得点を許さず、粘りに粘って追加点を許しません。
82分には中里優選手を投入して、守りに入ることなく、最後の反撃に出ます。
10人でも劣勢を覆せそうなゲーム運びを見せた日本でしたが、89分にゴール中央でロングボールをホラン選手に決められ…

会場の盛り上がりは最高潮に。
しかし、これで試合は終わりませんでした。
ドラマが待っていたのはアディショナルタイム。
10人になったことで、低い位置からの守備とポストプレーを強いられ、なかなか持ち味を出せなかったストライカー。
中盤で増矢選手のパスを受けた阪口選手からの縦パスを受けた横山選手がターンからゴール左隅に決めて再び同点に!
3-3
国内リーグでもそうですが、「このエリアに入ったら止められない」という横山選手のシュート技術と嗅覚は、今回のアメリカ遠征で、練習中からかなり発揮されています。
ここで、試合終了。
本気の世界女王相手に、初陣で3-3のドロー。結果もさることながら、交代枠4人を含めて多くの選手が試合に関わり、果敢なチャレンジをした結果だと思います。
チーム全体が、のびのびとプレーしているように見えましたし、それだけに収穫も大きかったのではないでしょうか。
先制ゴールからの流れも大きかったと思いますが、「やれる」という各選手の自信が時間とともに増していくのが見えたのは頼もしかったですし、その中で選手の良さを出すべく配置や組み合わせを練り、最後まで勝ちを目指した高倉監督の采配も印象的でした。
最終的に打たれたシュートは16本(日本は7本)、CKはアメリカが7本(日本は1本)。
アメリカのスピードを止めるためにファウルも嵩みましたが、チームを作る時間が限られた中で、球際への対応や連動した守備は明らかに目に見える形で、ピッチに現れていました。
ゴールに絡んだのは代表キャップを持つ経験のある選手たちでしたが、その陰で、前線からの絶え間ないチェイシングを続け、ポストプレーでしっかりとタメを作って決定機を演出した千葉選手や、サイドバックで相手に裏のスペースを狙われながらも、折れることなく最後までチャレンジし続けた佐々木選手など、新戦力のチャレンジも。
試合後、モーガン選手は取材の中で「日本を尊敬する」と話していました。
前日会見のジル・エリス監督もそうですが、相手に対するリスペクトを欠かさず、口にする習慣というのは、アメリカの素晴らしいところだなぁと感じます。
胸を貸してくれ、素晴らしい雰囲気のスタジアムで迎えてくれた女王に感謝したいですね。
3日後にはもう1試合、クリーブランドでアメリカとの対戦があります。
高地で激戦を戦い抜いた選手たちの疲労は推して知るべしですが、1日の休息をはさんで、5日の試合は、今日の試合で得た課題にトライしつつ、今度こそ勝利を目指してほしいと思います![天使の羽(左)]()
しかし、これで試合は終わりませんでした。
ドラマが待っていたのはアディショナルタイム。
10人になったことで、低い位置からの守備とポストプレーを強いられ、なかなか持ち味を出せなかったストライカー。
中盤で増矢選手のパスを受けた阪口選手からの縦パスを受けた横山選手がターンからゴール左隅に決めて再び同点に!

国内リーグでもそうですが、「このエリアに入ったら止められない」という横山選手のシュート技術と嗅覚は、今回のアメリカ遠征で、練習中からかなり発揮されています。
ここで、試合終了。
本気の世界女王相手に、初陣で3-3のドロー。結果もさることながら、交代枠4人を含めて多くの選手が試合に関わり、果敢なチャレンジをした結果だと思います。
チーム全体が、のびのびとプレーしているように見えましたし、それだけに収穫も大きかったのではないでしょうか。
先制ゴールからの流れも大きかったと思いますが、「やれる」という各選手の自信が時間とともに増していくのが見えたのは頼もしかったですし、その中で選手の良さを出すべく配置や組み合わせを練り、最後まで勝ちを目指した高倉監督の采配も印象的でした。
最終的に打たれたシュートは16本(日本は7本)、CKはアメリカが7本(日本は1本)。
アメリカのスピードを止めるためにファウルも嵩みましたが、チームを作る時間が限られた中で、球際への対応や連動した守備は明らかに目に見える形で、ピッチに現れていました。
ゴールに絡んだのは代表キャップを持つ経験のある選手たちでしたが、その陰で、前線からの絶え間ないチェイシングを続け、ポストプレーでしっかりとタメを作って決定機を演出した千葉選手や、サイドバックで相手に裏のスペースを狙われながらも、折れることなく最後までチャレンジし続けた佐々木選手など、新戦力のチャレンジも。
試合後、モーガン選手は取材の中で「日本を尊敬する」と話していました。
前日会見のジル・エリス監督もそうですが、相手に対するリスペクトを欠かさず、口にする習慣というのは、アメリカの素晴らしいところだなぁと感じます。
胸を貸してくれ、素晴らしい雰囲気のスタジアムで迎えてくれた女王に感謝したいですね。
3日後にはもう1試合、クリーブランドでアメリカとの対戦があります。
高地で激戦を戦い抜いた選手たちの疲労は推して知るべしですが、1日の休息をはさんで、5日の試合は、今日の試合で得た課題にトライしつつ、今度こそ勝利を目指してほしいと思います
